変化
DivineSourceのセミナーやお話会では、「変化」が毎回のように参加者の課題として浮上します。 言われていることは分かったつもりでも、自分事として実践する人はほんの一握りです。
現状を変えたいのに現状にしがみつく。おかしな話ですが、多くの人が陥っています。
例えば体調の悪さを自覚していないにもかかわらず、検診で癌が見つかったとします。
将来深刻な事態になるかもしれないと言われても、実感がわく人は少ないでしょう。
すぐにあらゆる治療法、対処法を探し、行動に移すといったことの利益が明らかに大きく見込めても、人は現状を維持することを選びがちです。
そこでロスする時間が生死に直結していてもです。
例えば今の仕事は労働に対する賃金が低く、明らかに平均以下の待遇である場合はどうでしょう。
冷静に考えれば、転職をしたほうが得ですが、これまで頑張ってきたし、嫌な人間関係もそれなりにこなせるようになってきたことを思えば、なかなか転職に踏み切れない。
さらに転職後を想像すると、もし今より悪くなったら後悔するだろうと、ますます躊躇してしまう。
ではこうした現状に対処するにはどうしたらよいでしょうか。
まず私たちには現状を維持したい、変化を恐れるという思いがあることを認識することです。
そして、現状を変えるほうの選択肢を具体化することです。
現状が変えられない多くの場合、変えた後のリスクばかりを思い描くからです。 リスクを考えるなら現状維持した場合の最悪の結果を想像することが、決め手になるでしょう。
事実、がんの最終段階ではもはや治療法は残されていません。
現状を維持したいなどとは思わず、効果のない民間療法に「わらをもつかむ気持ち」で手を出すようになる人も少なくありません。
こう考えれば、治療に期待が持てる段階で最良の判断をすべき、となるでしょう。
そんな時こそヒーリングなのでは?奇跡は?と思う方はこちらを読んでください。
変化よりも現状維持を選択するのには重要な前提条件があります。
現状が、曲がりなりにも「そこそこ生きていける」と思える状況にあることです。
それが人々を保守的にさせます。
「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏は、「企業が危機的状況に陥ったときほどチャンスである」と指摘しています。
社員が現状維持に危機を感じ、大きな改革に向けて経営の舵を大胆にきれるからです。
とくに社員の平均年齢が高齢化している企業では、現状を維持したい意識が強いので、なおさら危機感が必要です。
年齢で比較すると、現状維持傾向は若者で小さく、年長者で大きくなります。
若者は好奇心が強く挑戦的であるのに対し、年長者は経験に基づいて保守的に対処しようとする傾向にあるからです。
これは動物も同じです。これまでうまく生き延びてきたのだから、今後も同じようにやれば良いだろう、異なるやり方をとっても将来はよくわからないという動物の行動原理です。
しかし、人類の霊的成長が急速に進んでいる現代では、事情は異なっています。
古い動物的な直感は、すでに捨て去る時期に来ています。
変化を恐れる思考、現状に執着する思考は、政治や経営のみならず、自然現象にも波及する重要な心理メカニズムです。
多くの人がその仕組みを理解しておくと、より良好な社会が築けるでしょう。
そして個々人が皆、自分の心理をうまくコントロールできるようになれば、怖れるものは何もないことに気付くでしょう。
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