ネガティブ思考は個人だけの問題ではない
憎しみや非難、批判、妬み、羨望、怖れ、疑念、好色などといったネガティブな思いを絶えず内に抱いて、それらの思考や感情が苛立ちを生み出すままにしていれば、確実に本人の心身や状況に、不調和や失敗、災難をもたらすことになります。
その対象は個人だけの問題ではなく、家族や家屋、そして国に至るまでです。
ネガティブな思考に焦点を合わせることで、その人のネガティブな傾向はますます強まり、同じような性質を持つものをどんどん引き寄せるようになります。
調和を欠いたネガティブな事柄は、思考や感情を介して、その人やその人の世界に入ってきます。
それらを成すがままにしていれば、次第に無意識に取り入れてしまうようになります。
その都度正直に向き合うことなく見て見ぬふりをしたり、取り繕ったりしていた期間が長ければ長い程、内面に溜まった負の堆積物には強い吸引力が働き、結局自らそのツケを払うことになります。
人間は知覚にあまりにも無頓着ですが、思考を「物」に変えるのは知覚によって堆積されたエネルギーです。だからこそ感情には注意を払う必要があるのです。
心身の健康を維持するにも、あるいは社会で成功するにも、感情のコントロールはとても重要です。
思考は感情に裏打ちされて初めて物質化するからです。
どれほど破壊的な思考であっても、感情の領域を通らない限り、表面化も顕在化もできません。
突然の爆発音は、それを聞いた人間の精神系統に衝撃を与え、体内の細胞を動揺させますが、同じことが感情にも言えます。
不調和な感情は、老化や記憶力の低下、その他人生上の様々な欠陥を生み出します。
ネガティブな感情が人体組織に及ぼす影響は、例えば煉瓦造りの強固な建物を毎日たたき続け、揺さぶり続けた結果、建物を構成する粒子が次第にばらばらになり、しまいには崩壊してしまいますが、人が人体の原子構造に対してひっきりなしに行っているのがまさにこれです。
不調和な思考や感情を表に出すのは精神的に成熟していない状態です。
自身の思考や感情をコントロールできない、あるいはコントロールしようとしない者は、スピリチュアルな道を進んでいるとは言えません。
意識の扉をいくつも全開にして不調和をを呼び込んでいる状態です。
人間が自ら敷いた恒常的な限界を超えるためにも、そんな状態から抜け出す努力をする時期に来ています。
凝り固まった思考や感情に囚われ続ける限り、この世界や人生から貧困、不和、破壊的な要素を取り除くことはできません。
生活の中で生じる小さな不快感の積み重ねによる不調和が、各自の心身に真実の愛が流れるのを阻止しているのです。
どれほど労力がかかろうと、この二つのコントロールに時間、エネルギー、努力を費やすだけの価値はあります。
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