「私」から自由になるⅠ
「またやっちゃった。今度こそ、もう絶対にしないぞ」
普段の生活で、幾度となくこんな思いをしたことはないでしょうか。
しかし同じ状況に直面すると、よりよい意図を持ったつもりでも、また以前と同じ振る舞いをしている自分に気付くことも。
実際、無意識の領域は、意識の領域のどんな決定も覆してしまえるほどパワフルです。
無意識の領域が統制している自動的な行動の大部分、例えば車の運転や楽器の演奏なども、いったんやり方を覚えてしまえば、もう頭を悩ませる必要はありません。
それらの大部分は、私たちがうまく機能するのに必要なものです。
問題がやってくるのは、幼少期に身に付けた行動パターンがもはや適切ではなく、私たちが真の望みを達成するのを阻む時です。
そして、ほとんど当然のごとく、多くの人が、そうした行動パターンにひっかかっているのです。
私たちはこうした行動を、ただ自分はこういう人間なんだと片づけてしまうかもしれませんが、成長し、自分自身や人生にを客観的に見つめられるようになると、こうした行動は、まぎれもなく機能不全だとわかってくるでしょう。
それらは人生の真の目的や望みに反するもの、ハートの深い充足を阻むものなのです。
たとえば、永遠に幸せなパートナーシップを持ちたいと願っているのに、関係がうまく行かなくなるような、あるいは長続きしないような行動にでてしまう。充実感をおぼえる仕事につきたいのに、チャンスを前に自信のない自分が出てきてしまう。家族や友人に対し、いつも少し妥協してしまうが、なかなかその関係を変えることができない。
そのような例は枚挙にいとまがないでしょう。
気付きと思考を持つ大人ならば、自分でも気に入らない行動をしている、そんな状況は変えたいと思うでしょう。
しかし変えよう、違った振る舞いをしようと思うだけではなかなか変えることができず、フラストレーションに陥り、自分の無力さ、ダメさ加減に怒りを感じるのがオチでしょう。
だからといって、私たちが無意識の習慣のパターンに対し、完全に無力な犠牲者だというわけではありません。
変化を起こすためにはまず気付くこと、そして意識することが大切です。
無意識の領域のパターンに意識や気付きの光が向けられれば、闇はおのずから消えていきます。一瞬の閃光で十分なこともありますが、何年も忍耐強く取り組むうち、ある日、もう以前のような振る舞いをしていない自分にただ気付くこともあります。
しかし多くの人はカルマに押しつぶされて身動きができなくなっていると聖者は言います。
感情が邪魔をしてしまうのです。
そんなときヒーリングがとても助けになります。
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